サステナビリティ

本投資法人は、資産運用会社とともに、社会の持続可能性(サステナビリティ)及び中長期的な投資主価値の向上を目的として、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を意味する「ESG」に配慮した運用を行う意向です。

サステナビリティ方針

資産運用会社は、本投資法人の資産運用業務に際し、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)(併せて、以下「ESG」といいます。)の持続可能性(サステナビリティ)への配慮が、本投資法人の中長期的な競争力や投資主価値の持続的な向上に不可欠であるとの認識のもと、サステナビリティへの取組みの強化を目的に、資産運用会社の運用ガイドラインにおいて、「サステナビリティ方針」を定めています。

サステナビリティ方針

  • 地球環境の保全、運用資産の環境負荷低減
    運用資産における省資源・省エネルギーの推進や節水・水資源の有効利用及び廃棄物削減・リサイクル等、循環型社会への寄与及び環境との共生を図りながら地球環境の保全を目指します。また、運用資産における温室効果ガス排出量、水使用量、廃棄物排出量等の環境目標及び当該目標を達成するための具体的な取組内容を定め、環境負荷低減を図ります。
  • 地域・社会(コミュニティ)への貢献
    運用資産を通じて、地域・社会(コミュニティ)への貢献や、周辺地域との良好な関係の構築に努めます。
  • 外部のステークホルダーとの協働
    運用資産のテナント、PM会社及びマスターリース会社等の外部のステークホルダーと良好な関係を構築し、連携・協働していくことにより、サステナビリティ方針の内容を実践することを目指します。
  • 役職員への取組み
    ESGに係る継続的な教育・啓発活動を実施し、役職員のESGへの配慮に対する理解を深め、実行力を高めます。また、健康で安全・快適な職場環境づくり、人材育成及びワークライフバランスの取組みにより、役職員一人ひとりが十分に能力を発揮できる環境を整備します。
  • コンプライアンスの遵守、内部統制体制の構築・整備
    全てのステークホルダーの期待に応えることを目指し、ESG関連の法令・規則及びコンプライアンスの遵守に加え、さらなる内部統制体制の強化に取り組むことで、公正な取引、情報の適切な管理及び利益相反防止を徹底します。
  • ESG情報の開示と透明性の確保
    ESGに関する情報の適時適切な開示に努めるとともに、環境認証の取得や国際的な基準の採用等の外部評価も活用した透明性の確保に努めます。

外部評価・国際イニシアティブ

TCFD

資産運用会社は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、国内賛同企業による組織である「TCFDコンソーシアム」に参加しています。

TCFDについて

TCFDは、気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討するために設立された国際イニシアチブです。TCFDは、企業等に対し、気候変動関連リスク及び機会に対する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について開示することを推奨する提言を公表しています。

TCFDコンソーシアムについて

TCFDコンソーシアムは、国内のTCFD賛同企業や金融機関等が一体となって取組みを推進し、企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関等の適切な投資判断に繋げるための取組みについて議論する目的で設立された組織です。

GRESBリアルエステイト評価

本投資法人は、2024年 GRESB リアルエステイト評価において、総合スコアのグローバル順位によって5段階で格付される「GRESB レーティング」で「2スター」を取得しました。また、ESG推進のための方針や組織体制などを評価する「マネジメント・コンポーネント」及び保有物件での環境パフォーマンスやテナントとの取り組み等を評価する「パフォーマンス・コンポーネント」の双方において優れた参加者であることを示す「Green Star」を取得しました。

GRESBについて

GRESBは、不動産会社・ファンドの環境・社会・ガバナンス(ESG)配慮を測る年次のベンチマーク評価及びそれを運営する組織の名称であり、責任投資原則(PRI)を主導した欧州の主要年金基金グループを中心に2009年に創設されました。国内では年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をはじめ、グローバルで機関投資家によって投資先の選定や投資先との対話にGRESBデータが活用されており、毎年の評価には多くの不動産会社、REITや不動産私募ファンドが参加しています。

SDGs(持続可能な開発目標)への貢献

本投資法人の取組みは、SDGsにおける以下の目標に貢献しています。

  • 目標3
    感染拡大防止策の徹底、柔軟な働き方
  • 目標7
    LED、太陽光発電、熱負荷低減
  • 目標8
    屋上テラス(働きやすいビル)
  • 目標11
    Green Building認証、制振ダンパー、備蓄
  • 目標12
    産業廃棄物の適正処理、リサイクル
  • 目標13
    災害対策、帰宅困難者受け入れ

気候変動への取組み

ガバナンス

  • 本資産運用会社は、「サステナビリティ推進体制規程」を制定し、サステナビリティ推進のための社内体制を整備した上で、社内外のステークホルダーとの協働を重視し、運用資産におけるサステナビリティに関する取組み実績・状況等につき把握するように努め、各ステークホルダーへの情報開示と投資主等との適切なコミュニケーションを図ることに努めています。
  • 本資産運用会社の気候関連課題を含む、サステナビリティに係る最高責任者を取締役副社長とし、サステナビリティ推進会議のメンバーは、代表取締役社長を含む本資産運用会社の執行に関る主要メンバーで構成されています。
  • サステナビリティ推進会議では、気候関連課題を含むサステナビリティ推進に必要な体制の整備、各種ポリシーや目標、各種施策の立案に関する審議及び決議を行い、実行の統括を行います。

戦略

参照した外部シナリオ

本投資法人が保有する資産を対象に、シナリオ分析はIEA(国際エネルギー機関)及びIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が作成した以下のシナリオを参考にいたしました。

移行リスク 物理的リスク
1.5°Cシナリオ IEA NZE2050 IPCC RCP2.6
4°Cシナリオ IEA STEPS IPCC RCP8.5

各シナリオにおいて想定される世界像

各シナリオでは、以下のような世界観を想定しています。

分類 運用におけるリスク・機会の要因 財務リスク 財務への影響 最大化
する時期
4℃
シナリオ
1.5℃
シナリオ
移行
リスク
環境税(炭素税)の導入によるGHG排出に対する課税の強化
  • 物件のGHG排出量に対する税負担の増加
中期
既存不動産における省エネ基準の強化・省エネルギーの義務化
  • 対応のための改修費用の負担増や場合によってはペナルティー発生
中期
排出量取引制度の本格的な導入と厳格化
  • 炭素排出枠への対応コストの増加
中期
テナントの環境対応への意識の向上
  • 新規テナント獲得が難しくなる、テナントリテンションが低下することによる空室発生の増加・空室期間の長期化
短期
物理
リスク
集中豪雨による内水氾濫や河川の氾濫等による浸水
  • 修繕費・保険料の増加、稼働率の低下等
短期
平均気温上昇・猛暑日や極寒日など極端現象の増加による過度な空調機稼働
  • 空調の既存空調設備への負荷増大、長時間稼働とメンテナンス・修繕費用の増加
    場合によっては設備の更新
中期

リスク及び機会の特定

本投資法人は、シナリオ分析を踏まえてリスクと機会の特定とそれらの事業への影響を以下のように評価しました。

分類 運用におけるリスク・機会の要因 財務リスク 財務への影響 最大化
する時期
4℃
シナリオ
1.5℃
シナリオ
機会 省エネ技術の進化
  • 外部調達する光熱費の削減
  • 運用コスト削減による競争力強化
  • キャッシュフローの改善に伴う不動産価値向上
中期
不動産のレジリエンス対応の進化
  • 災害による損失の軽減・災害発生時のテナント被害低減
長期

リスク、機会に対応するための具体的な取組み

上記のリスクと機会に対して、本投資法人は以下の取組みを推進します。

  • 省エネルギーの推進
    • 省エネ設備への更新、省エネ対応物件の購入
    • テナントとの協働による省エネ活動の実施、グリーンリース契約の導入
    • 環境認証の取得
  • 再生可能エネルギーの導入
    • 再生可能エネルギーへの電気需給契約変更
    • 太陽光発電等の設置(設備設置済み物件の購入を含む)
  • その他
    • ハザードマップ等によるリスクの把握
    • 防災備蓄等のBCP対策の実施

リスク管理

本投資法人及び本資産運用会社が気候変動関連リスクを管理するプロセスは以下の通りです。

  • リスクと機会を特定するプロセス
    • 気候変動課題に関する重要なリスクと機会についてはサステナビリティ推進会議において議論いたします。
  • リスクを管理するプロセス
    • 気候変動関連課題に係る最高責任者は取締役副社長であり、サステナビリティ推進会議において、特定されたリスクに対して、対応担当部署または担当者を指定し、その対策案の策定を指示します。
    • 対策案は、その内容に応じてサステナビリティ推進会議、投資委員会、あるいは社内の適切な委員会等の会議体において審議の上実行します。
  • 全体的な管理プログラムへの統合
    • 気候変動関連のリスクは既存の全社リスク管理プログラムに統合しています。

指標と目標

本投資法人はリスクと機会を管理、モニタリングするために重要な指標(KPI)と目標を設定しています。設定した指標と目標は以下の通りです。

指標 目標
GHG(温室効果ガス)の排出量 ①中間目標:2030年までに30%削減(原単位ベース)
②長期目標:2050年までにネットゼロ達成

Environment(環境)

本投資法人は、環境への配慮を図り、環境との共生を目指す取組みとして、保有物件について環境認証を取得し、運用しています。

DBJ GreenBuilding認証

DBJ GreenBuilding
DBJ Green Building認証とは、環境・社会への配慮がなされた不動産(「Green Building」)を支援するために、2011年4月に日本政策投資銀行(DBJ)が創設した認証制度です。
対象物件の環境性能に加えて、防災やコミュニティへの配慮等を含む様々なステークホルダーへの対応を含めた総合的な評価に基づき、社会・経済に求められる不動産を評価・認証し、その取り組みを支援しています。

A-1
東京サンケイビル(共有持分2%)

DBJGB 2024 score 5

認証先:株式会社サンケイビル(スポンサー)

A-3
S-GATE日本橋本町

DBJGB 2019 score 3

A-4
S-GATE秋葉原

DBJGB 2019 score 3

A-10
S-GATE赤坂

DBJGB 2023 score 4

B-3
SANKEILOGI摂津

DBJGB 2024 score 3

B-4
ホテルインターゲート
京都 四条新町

DBJGB 2024 score 3

B-5
ホテルインターゲート
金沢

DBJGB 2024 score 3

B-6
グリッズプレミアム
ホテル 大阪なんば

DBJGB 2024 score 3

BELS評価

BELS評価
建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)において、不動産事業者等は建築 物の省エネルギー性能を表示するよう努めることが求められています。BELSは、国土交通省が定めた評価基準に基づいて第三者機関が建築物の省エネルギー性能を評価する制度です。

A-1
東京サンケイビル(共有持分2%)

認証先:株式会社サンケイビル(スポンサー)

A-3
S-GATE日本橋本町

A-4
S-GATE秋葉原

A-10
S-GATE赤坂

B-1
ホテル インターゲート
東京 京橋

B-2
ホテル インターゲート
広島

Social(社会)

地域社会への貢献、周辺地域との良好な関係性の構築に努めます。

地域コミュニティへの貢献(電動マイクロモビリティのシェアリングサービス)

本投資法人は電動マイクロモビリティの導入を進め、脱炭素社会の実現に貢献しつつ、入居者の利便性向上と資産価値向上に傾注します。

A-12 日立九州ビル

A-7 東陽パークビル

Governance(ガバナンス)

投資主の利益に資する運用体制を構築することで、中長期的な投資主価値向上を目指します。

運用報酬体系

期中報酬

運用報酬Ⅰ 総資産額×年率0.5%(上限)
運用報酬Ⅱ 不動産賃貸事業利益×5.0%(上限)

取得・譲渡報酬

取得報酬 取得価格×1.0%(上限)
譲渡報酬 譲渡価格×1.0%(上限)

利害関係人との取引(物件売買)に係る意思決定のフロー

本投資法人において利害関係人との物件売買を行う場合、本資産運用会社における外部構成員を含むコンプライアンス委員会及び投資委員会による承認、並びに本投資法人役員会による承認(必要な場合)を条件としています。

運用体制